メディアフォーカス

米FCC委員長,退任へ

放送と通信に関するアメリカの規制監督機関FCC(連邦通信委員会)のジュリアス・ジェナカウスキー委員長が3月22日,近く退任する意向であることを明らかにした。

ジェナカウスキー氏はオバマ大統領の大学院時代の友人で,ハイテク企業経営などを経て,オバマ政権誕生後の2009年6月にFCC委員長に就任した。インターネットの普及に伴う通信網整備に重点を置き,2010年には米政府のインターネット政策の指針となる『全米ブロードバンド計画』を発表して,より多くの国民が快適にインターネットを利用できる環境作りに力を入れた。その一環としてFCCは,爆発的に増加するスマートフォンやタブレット端末などのモバイル利用に対応するため,放送局が所有している周波数帯域を徴収して通信事業者などに配分するためのオークションを2014年に行うことにしているが,放送事業者からは反発の声が上がっている。

また,企業合併については,携帯電話事業者全米2位のAT&Tと同4位のT-Mobileの合併を独占につながるとして認可しなかった一方で,ケーブル事業者最大手のコムキャストがメディア企業大手のNBCUniversalを買収する件は許可した。ジェナカウスキー氏の4年間の功績については賛否両論があるが,オバマ大統領は,社会インフラ整備と雇用創出に大きく貢献したと称えた。同氏に先立ち共和党のマクドウェル委員も退任を表明していて,オバマ政権は2人のFCC委員の選考に入る。今後のメディア動向や技術革新にも影響を与えるだけに,誰が新しいFCC委員長に任命されるか注目される。

柴田 厚