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独公共放送,チャンネル再編を迫られる中,10~20代向け共同チャンネル構想始動

ドイツの公共放送ARDは11月28日,公共放送離れが顕著な14~29歳の若者を対象にした専門チャンネルをZDFと共同で設立する計画を進める,と発表した。代わりに,ARDとZDFはこれまで提供してきた専門チャンネルのそれぞれ1つを終了する計画である。

ARDとZDFは1997年に,デジタル化の推進役となることを期待し,それぞれ3つのデジタル放送限定の専門チャンネルを新設した。ARDは現在,ニュース専門のtagesschau24,生活情報中心のEinsPlus,30~40代向け娯楽中心のEinsfestival,ZDFは,ニュース専門のZDFinfo,25~49歳の若い家族向け娯楽専門のZDFneo,ポップカルチャー専門のZDFkulturを提供している。

しかし特にこの1年,有力な政治家などから,これらのチャンネルの見直しを求める声が次々に上がった。デジタル移行の推進という役目は終えているのだから,チャンネル数を減らして予算と人員を集中すべき,という意見である。他方,平均年齢60歳という公共放送の視聴者の高年齢化に歯止めをかけ,将来の社会を支える若者にも見てもらえるよう,ARD・ZDF共同で10~20代向けのテレビチャンネルを新設すべきという意見も出ていた。

ARDは今回,EinsPlusとZDFの専門チャンネル1つを合併させ,若者向けチャンネルを共同制作する方針を決めた。ZDFもすでに前向きな姿勢を見せている。両局は子ども向けチャンネルのKI.KAで成功の実績があるが,10~20代を引きつけるチャンネルをどう作っていくのか,注目される。

杉内有介