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ロンドンオリンピック平均視聴率,NHK9.2%,民放7.4%

ビデオリサーチが,ロンドンオリンピックの地上波全番組の平均視聴率(関東地区)を2012年8月14日に発表した。それによると,平均視聴率はNHK(Eテレを含む)が9.2%,民放在京キー局が7.4%で,NHKと民放5局を区別して調査を開始した1988年のソウルオリンピック以来,最低の視聴率だった。

個別の番組で視聴率が高かったのは(ビデオリサーチ調べ),サッカー女子予選・日本対スウェーデン戦(NHK)の30.8%,同決勝・日本対アメリカ戦(NHK)の29.1%,サッカー男子予選・日本対スペイン戦(NHK)の26.0%,開会式(NHK)の24.9%,男子マラソン(NHK)の24.3%,男子サッカー準々決勝・日本対エジプト戦(日本テレビ)の23.9%,女子マラソン(フジ)の22.5%などで,サッカーやマラソンなどの人気種目と柔道など日本選手が活躍した種目の視聴率が高かった。

地上波の平均視聴率が低かったのは,ロンドンと日本の時差が8時間あり,現地で午後開始の競技は日本では夜になったこと,NHKを中心にBSでも多くの競技が放送されたこと,NHK・民放ともにインターネットで競技の動画を配信したこと,などが理由として挙げられている。ソーシャルメディアの発展や携帯端末の普及が地上波の視聴率に影響したと見られるが,14年冬のソチと16年夏のリオデジャネイロの2大会で360億円という高額の放送権料とのからみで,NHKはともかく,今後民放局が地上波編成の検討を迫られる事態も予想される。

奥田良胤