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NHK,受信料値下げで減収 12年度収支予算と事業計画案

NHKは2012年1月17日,12年度の収支予算と事業計画案を発表した。

それによると,事業収入は6,489億円で,前年度予算額より1.7%,114億円の減収となっている。減収の大きな要因は,12年10月から行う受信料を口座・クレジット支払いで月額120円,継続振込み等で月額70円の値下げ。値下げによる減収は217億円だが,受信契約数を増やすとともに,契約しても支払っていない世帯を減らして123億円の増収をはかり,受信料収入は11年度比で93億円の減にとどめるとしている。受信料の支払い率を73%,収納率を96%にする予定で,いずれも11年度より1%引き上げる。

減収にともない,事業支出も11年度より74億円,1.1%減らして6,489億円とし,収支均衡予算を組んでいる。

事業計画では,12年度からの3か年経営計画の初年度として,「安全・安心を守る公共放送の機能強化と東日本大震災からの復興支援」「世界に通用する質の高い番組,日本,そして地域の発展につながる放送の充実」「放送と通信の融合時代にふさわしい新たなサービスの充実」などに全力で取り組むとしており,国内放送費と国際放送費はともに11年度より増やしている。

業務別予算をみると,国内放送番組の制作と送出が全体の75.1%で4,875億円,受信契約および受信料の収納が736億円,国際放送番組の制作と送出が195億円,番組・放送技術の調査研究が185億円,受信サービス活動が121億円などとなっている。

奥田良胤