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NHK受信料の「支払督促」申立て総件数1,500件超える

NHKは受信料を支払っていない世帯等を対象に民事手続きによる「支払督促」を2006年11月から行ってきたが,2011年3月31日現在の申立て総件数は1,591件となった。

このうち82%にあたる1,305件は,すでに滞納受信料を全額支払ったか,分割で支払い中か,支払うと意思表明をしており,残る286件は裁判所で係属中である。このうち,最高裁まで争われていた2件について,最高裁第3小法廷は2011年5月31日,支払いを命じた2審判決を支持し,それぞれ上告を退ける決定をした。

「支払督促」は債権者の申立てに基づく簡易裁判所の略式手続きであるが,簡裁の決定に異議を申立てたのは597件であった。大半は「和解」等に至っているが,支払督促または判決が確定しているにもかかわらず,支払いに応じない世帯もあった。このためNHKは,10年5月に不払いの意思が固かった8件に対して財産を差押さえる強制執行を予告した。7件は支払いに同意したが,1件は10年7月に財産の差押さえによって滞納額の一部を回収し,残額は10年9月に契約者から任意で支払われた。NHKは10年12月にさらに24件について強制執行の申立てを行っている。

NHKは滞納だけでなく未契約世帯についても民事訴訟に踏み切り,10年11月には5件について契約の締結と受信料の支払いを求める訴訟予告をして,契約と収納の実績をあげている。また,10年5月には首都圏の未契約の事業所を提訴し,8件すべてが円満に解決している。

奥田良胤