メディアフォーカス

フジテレビ,10月に持株会社へ TBSも移行方針を決定

2008年4月に施行された改正放送法によって規制が緩和され,放送会社の持株会社化が可能となった。その新制度のトップを切って,フジテレビの持株会社「フジ・メディア・ホールディングス」が2008年10月1日に発足した。

フジテレビグループは,放送事業を中核としながら,放送周辺事業も傘下におく「メディア・コングロマリット」を目指しており,08年5月に持株会社への移行方針を決め,08年9月4日に総務省の認定を受けていた。

フジテレビの放送免許は子会社となる「株式会社フジテレビジョン」が承継した。このほか放送関係で傘下に入ったのは,100%子会社であるラジオのニッポン放送と110°CS でデジタル放送を行っているサテライト・サービスの2社。衛星放送のBSフジは,持株会社の株式保有率が半分以下の44.5%であるため傘下の会社とはされず,関連会社の位置づけとなった。

一方,在京キー局の東京放送(TBS)は,08年9月11日の取締役会で,09年4月1日をめどに,持株会社へ移行する方針を決めた。

東京放送が持株会社となり,TBSテレビが新会社として傘下に入り,放送免許を承継する計画で,08年12月の臨時株主総会に3分の2以上の賛成を必要とする特別議案として提出される予定である。

しかし,20%弱の株を保有する最大株主の「楽天」は,これまで持株会社への移行に反対の意向を表明しており,今後の「楽天」の動向が注目されている。

奥田良胤