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「アルジャジーラ」, 第3のチャンネル放送開始

会議やシンポジウムなどイベントをそのまま生中継するチャンネル「アルジャジーラ・ライブ」が4月16日にスタートし,自前のイベント「アルジャジーラ・テレビ・プロダクション・フェスティバル」の模様などを中継した。これでアルジャジーラは,1996年に開局した「アラビア語ニュース」,2003年に始まった「スポーツニュース」につづいて第3のチャンネルを持つことになった。

アルジャジーラは,さらに「ドキュメンタリー」,「チルドレン」,「英語ニュース」の3つのチャンネルを開始しようと準備を進めている。特に年内開始予定の英語ニュースは,中東からの視野で世界にニュースを発信しようというもので,CNN,BBCに対抗する第3のグローバル放送と意気込んでいる。

アルジャジーラの経営についてはニューヨークタイムズが1月末,アメリカ政府の圧力でカタール政府が売却を検討していると報じ,身売り説も流れている。これについてアルジャジーラは「広く出資を募る民営化策としてIPO(株式公開)を役員会で検討している。最終結論はでていない」と説明している。

アルジャジーラはカタールの首長一族が出資する会社だが,赤字経営が続きカタール政府からの支援を受けている。これはアルジャジーラの報道に反発する近隣国が中東の企業にアルジャジーラに広告を出さないよう圧力をかけているためともいわれる。アルジャジーラは世界に発信する英語ニュースチャンネルならば,多国籍企業の広告が集まると期待している。

太田 昌宏