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「血液型番組」放送基準に抵触のおそれ青少年委員会が配慮を要望

第三者機関である「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の青少年委員会 (原寿雄委員長)は12月8日,「血液型を扱う番組」に関して,放送基準に 抵触するおそれがあるとして,放送局に対し,配慮を求める声明を発表した。

「血液型を扱う番組」については,04年6月以降,青少年委員会に視聴者 から多くの批判が寄せられた。主な内容は,血液型と本人の性格や病気などが あたかも関係があるようなトーンで取り上げられた結果,「学校や就職で 血液型による差別意識が生じている」「血液型と性格は本来関係がないにも かかわらず,番組のなかで科学的根拠があるように装うのはおかしい」 というものであった。

青少年委員会から事情聴取された局側は,放送の際に「個人差があります」 「血液型による偏見や相性の決めつけはやめましょう」など注意喚起の テロップを流すようにした。

しかし,青少年委員会では,テロップ措置について弁解の域を出ない として,配慮を要望する声明を発表した。

青少年委員会によると,「血液型を扱う番組」での血液型と性格を関係 付けるような取り扱いは社会的差別につながるおそれがあり, 放連の放送基準54条「占い,運勢判断およびこれに類するものは,断定したり, 無理に信じ込ませたりするような取り扱いをしない」との規定に抵触する おそれがあるとしている。青少年委員会では,非科学的内容の取り扱いに ついて,大人なら笑いですむが子どもの場合にはそうはいかないとしている。

奥田 良胤