国内放送事情

番組倫理の検証から見えてくるもの

~BPO・放送倫理検証委員会の5年~

BPOの放送倫理検証委員会が設置されて5年余が経過した。この委員会は、情報番組におけるねつ造が発覚して批判を浴び、社会問題となったため、放送倫理を高めるために設置された第三者機関である。

この5年余、委員会は番組における放送倫理違反の検証や番組全体の向上のための提言をした。委員会は、放送倫理違反の原因として、現場が忙しくチェックが十分にできなかった、制作日数が短く裏付け取材が不足した、外部プロダクションへの制作委託が責任体制をあいまいにした、面白くするため演出で誇張した、などを指摘した。委員会は、視聴者からの批判が多い「バラエティー番組」についても内容の向上を呼びかけた。

委員会の意見は制作現場までなかなか届かず、同じようなエラーが繰り返されている。しかし、放送局の幹部スタッフは委員会の指摘を真摯に受け止め、改善は遅々としているが進んでいる。委員会は、放送界の自律機能強化のために、着実に役割をはたしている。

番組における放送倫理違反を少なくするために、放送界は今後、外部プロダクションへの制作委託環境の改善、若いスタッフへの放送倫理研修の充実に努力する必要がある。

 放送メディア研究 奥田良胤