国内放送事情

“通信と放送の融合”はどう議論されたのか?

この半年あまり、“通信と放送の融合”をめぐる議論が各所で行われた。その柱は、1月から6月まで続いた竹中総務大臣の私的諮問機関「通信・放送の在り方に関する懇談会」の議論と、片山虎之助参議院幹事長を座長とする自民党電気通信調査会「通信・放送産業高度化小委員」だった。両者の議論は、「通信・放送の在り方に関する政府与党合意」の形でまとめられ、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」につながった。そして、政府与党合意に基づき総務省は、「工程プログラム」を発表し、新たな検討に着手している。

これまでに議論は様々な広がりも見せていた。規制改革・民間開放推進会議が竹中懇を支持する見解を3度ほど発表した。竹中懇で改革すべき対象に挙げられた通信や放送の関係団体なども、異論・反論の声を挙げていた。またこの間に、文化庁の文化審議会著作権分科会では、“通信と放送の融合”に大きな影響を与える著作権問題の議論も進んでいた。

“通信と放送の融合”を進め、ビジネスとしても可能性と国民の利便性を拡大しようと考える竹中懇と、慎重な検討の必要性を説いた自民党小委員会などの議論を中心に、この問題の背景、議論の流れ、そして今後の展開を整理した。

主任研究員 鈴木 祐司