国内放送事情

乳児はテレビにどのように接しているか

~0,1,2歳のメディア接触実態の変遷~

テレビを中心にビデオ,テレビゲームなど,子ども達の日常生活に深く入り込んでいる映像メディアが,子ども達の心身の発達にどのような影響を与えているのか。このテーマについては関心が高く、さまざまな議論がある。

NHK放送文化研究所“子どもに良い放送”プロジェクトでは,2002年よりこうした映像メディアへの子ども達の接触の実態について、研究者と共同で調査を行っている。 調査対象は2002年に川崎市で生まれた子ども約1200名で,彼らが0歳時より調査を開始し、継続して同じ子どもの成長を追跡する形で長期間調査するのが特色である。

これまでに0、1、2歳の3時点(乳児期)の調査・分析が終了した。乳児期における最も大きな変化は、0,1,2歳と年齢が上がるにつれ、乳児の居る部屋のテレビの画面がついていただけという「ついているだけ」の時間が減り、乳児がテレビを“見始める”ようになることである。1歳時点で約8割の母親が、乳児が「テレビの内容を理解し始めている」と答え、2歳時点で半数以上の母親が「見たい番組がだいたい決まっている」と答えている。よく見ている番組も、NHK教育の幼児番組一辺倒から、2歳時点になると、民放のアニメ・マンガ番組の割合が増えてくる。この傾向は対象児に年上のきょうだいがいる場合に顕著である。こうしてテレビを“見始め”た乳児に対し、母親の5割が見る番組や時間を制限し始め、少しずつテレビの影響を気にし始めるようである。また、2歳児の9割が「ビデオが好き」であり、視聴時間も増える。これに対し、テレビゲームは、まだ使用経験のない乳児が2歳時点で87%を占めている。

研究員 西村規子