連続インタビュー「情報社会のゆくえ」②
「ラジオで進む放送とインターネットの融合」
FM802業務開発部開発課長 谷口純弘 氏
エフエム東京 代表取締役会長 後藤 亘 氏
斜陽と呼ばれて久しいラジオ業界で、いま放送とインターネットの「融合」が模索されている。
その中で最も先進的なサービスをしている大阪のロック専門局FM802。24時間生でリスナーの声を受け付け、番組DJが返答する電子掲示板BBSが人気をよび、ウェブサイトは月間5千万件のアクセス数を誇る。IT担当の谷口純弘氏によれば、そこを拠点に局とリスナーの対話がぐっと深まり、アーチストの発掘や様々なビジネスの市場調査も行われるようになった。
エフエム東京の後藤亘会長は、10年前データ放送で「見えるラジオ」をはじめた時からラジオは最もインターネットと親和性があると見ていた。そして一昨年、携帯電話でFMが聴ける「ケータイラジオ」を開発、ケータイ向けウェブサイトから「着うた」ダウンロードできるサービスなども展開している。そして後藤会長が仕上げとして力を入れるのがデジタルラジオ放送の実現。
新たなビジネスモデルを求めて通信媒体と『融合』するラジオの現在と未来を、東西2つのラジオ局の「融合」仕掛け人のインタビューに、文研が5月に実施した全国97のラジオ局に対する電話アンケート調査結果を加えて伝える。