番組研究

<連続インタビュー・転換期のメディア(2)>

テレビ・今も「お前はただの現在にすぎない」か

~演出家・今野勉氏~

テレビは、デジタル化という技術上の大転換期に突入することで、今までとどう変わるのでしょうか。様々な予測が語られる中で、制作現場にいる人々の見方はどうか。

インタビューをお願いした今野勉さんは、1959年(昭和34)に、現在のTBSに入社以来、40年間余りにわたり一貫してテレビ制作に携わってきました。

「お前はただの現在にすぎない」というのは今野さんも共著者の一人である単行本(1969年刊)のタイトルです。30年余り前、この本で強調されたテレビ制作の方法論は「テレビは時間である」ことを論拠にしたものでした。その後、ドキュメンタリー・ドラマを始め多くの新しいテレビ的表現は、この「テレビの時間性」を意識することによって生まれたと今野さんは言います。

「テレビの時間性」には、同時刻性、中継性、持続性、非編集性など多くの意味が含まれています。テレビ技術の特性から発想されたものですが、逆に、この方法論は技術革新の影響を受けやすいという側面も持っています。

今野さんは、現在、技術や機材の飛躍的な進歩で「テレビの二極化」が進んでいると判断しています。一方には、まさにテレビの本領である同時生中継を主体にしたニュースや情報番組、そして、対極にあるのが時間と空間を自在に編集したドラマなどです。

今後、デジタル化は、技術的にはこの「テレビの時間性」をさらに大きく変える可能性を持っています。例えば、アメリカではこの2月の「グラミー賞授賞式」中継を5分間遅れで放送し、また追っかけ再生が可能な受信端末も登場するなど、出す側も受ける側も、時間のコントロールがはるかに容易になってきています。それらのことが、現在のテレビの何を、どう変えていくのか。

「時間性」もとにした方法論の変遷を振り返るとともに、具体例をもとにした今後の展望についてお話を伺いしました。

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放送研究 横江広幸

演出家・今野勉氏