ことばウラ・オモテ

銀河・天漢・銀漢

もうすぐ、七夕がやってきます。牽牛(けんぎゅう)織女の伝説では、天の川を隔てた男女をカササギが橋を造って取り持つということになっています。地上では、ササに願いを書いた五色の短冊を下げ、祭るのです。昔は裁縫や習字が上達するようにという願いが主流でしたが、現在は短冊にあらゆる願いごとが書かれています。

伝説の天の川は銀河とも呼ばれ、漢文では天漢、銀漢、雲漢、銀浪、星河などとも言われています。

「漢」は「悪漢、好漢」の漢ではなく「漢水」つまり長江の一支流を示し、上記の熟語では「川」の意味を表す漢字です。英語ではMilky Way(乳の道)といわれギリシャ神話に起源があります。

中国では「河、江、渭、淮」など1字で川を表すことがあります(黄河、長江、渭川、淮河のこと)。

ところで日本語では書くときに「天の川」か「天の河」どちらか迷います。

「川」はもともと谷川くらいの小さなものを示すので、「河」でなければならないという学者もいます。

当用漢字時代は「かわ」には「川」の漢字しかなく「天の河」は書けない漢字だったのです。常用漢字では「河」も認められましたが、厳密な使い分けが示されず、国内の河川名にも「川」だけが使われたということ、小学校低学年で七夕祭りを単元に入れて「天の川」の短冊を作るようになったなどさまざまな理由で「天の川」が優勢になったようです。

地酒・焼酎ブームでいろいろな名前の酒が出来ましたが、こちらは「河」を使うものが多くなっているようで、のんべえは「川」より「河」が好きなのかもしれません。

(メディア研究部・放送用語 柴田 実)