ことばウラ・オモテ

新語・旧語

新しいことばには、流行語や専門用語、外来語などがあります。ひっくるめて「新語」と言われ、この反対語は「死語」と呼ばれます。新たに生まれることばと、使われなくなることばという意味ではその通りです。

しかし、「新語」と「死語」の間に「比較的新しいことば」「やや古いことば」という中間的な性格のことばもあります。

やや古いことばについては、『新明解国語辞典』のように大胆に「よしなに」の解説の中で「老人語」という説明を加える辞書もあります。

放送用語班の調査でも「ワインと言いますか、ぶどう酒と言いますか」という調査がありました。同じものを別の言い方で表わす人がどのくらいいるかという調査です。(1996年言語環境調査)

身の周りにはこういう物やことばがたくさんあります。

  • 寝巻き…パジャマ、ナイトウエア
  • 写真機…カメラ
  • 虫メガネ、拡大鏡…ルーペ
  • コップ…グラス
  • ズボン、スラックス…パンツ
  • 便所、手洗い…トイレ
  • 台所…キチン
  • 居間、茶の間…リビング
  • えもん掛け…ハンガー
  • さじ…スプーン
  • 体重計…ヘルスメーター
  • 切符、入場券…チケット
  • 食卓…テーブル
  • 運動靴…スニーカー
  • 百貨店…デパート
  • レコード店…CDショップ
  • 新装開店…リニューアルオープン

左側が旧語、右側が新語ということもできそうですし、使う人の世代による「世代語」と考えることもできます。『新解さん』は左側にあることばを「老人語」に近いと考えているのでしょうか。

左右両方のことばを使う人は「それぞれニュアンスが違うよ」という意見の方もいます。

「写真機」は写真館や記念撮影で使う大型のもの、「カメラ」は自分たちが使うスナップ用のものと分けている人もいます。

確かにニュアンスの違いはありそうですが、だれでもが同じような違いを感じてくれるかどうかはわかりません。

現代を描いたドラマではこういうニュアンスの違いや時代の違いに神経を使わなくてはなりません。「戦時中の兵隊がかぶっていたヘルメット」では戦中世代にしかられます。「鉄かぶと」と言っていたことは知らなければなりません。

話す相手の世代によって合わせた方がいいのか、それとも自分の世代らしさで押し通すか、あちら立てればこちらが立たず。悩ましい限りです。

生きていることばに合わせた私たちのことばの選択もありそうです。

(メディア研究部・放送用語 柴田 実)