最近気になる放送用語

「昼過ぎ」?

「昼過ぎ」というのは、具体的に何時何分ごろのことを指すのでしょうか。

伝統的な解釈では「正午(=午後0時)過ぎ」ですが、人によってとらえ方が異なります。特に年代差も見られ、このことばを使う際にはそのことを念頭に置いておくのがよいでしょう。

解説

「昼過ぎ」という表現がどのように解釈されるのかをめぐって、NHK放送文化研究所ではウェブ上でアンケートをおこないました(1541人回答)。夜の時点での発言として「○○線は、きょう昼過ぎに運転を再開しました」という言い方をどのようにとらえるかについて意見を尋ねてみたところ、もっとも多かった回答は①「遅くとも午後1時ごろまでには運転を再開したと思う」(33%)で、以下は②「0時15分ごろまでには」(27%)、③「0時30分ごろまでには」(24%)、④「1時30分ごろまでには」(9%)、⑤「0時45分ごろまでには」(4%)、⑥「1時15分ごろまでには」(3%)と続きます。ここで、①「午後1時ごろまでには」と②「0時15分ごろまでには」の割合を年代別に見てみたところ、10代から40代までは①「午後1時ごろまでには」が一番多い回答になっていますが、50代以上では②「0時15分ごろまでには」がもっとも多いことがわかりました。  おそらく、比較的年配の人たちは「昼過ぎ」ということばを「正午が過ぎたころ」という伝統的な解釈で受け止めるのに対して、それより下の年代では「昼休み(だいたい午後0時から1時ごろ)」が終わったころと考えるように変化しつつあるのではないでしょうか。「昼過ぎ」ということばの意味が変わりつつあるのだと言えそうです。 このように「年代による解釈の違い」があるので、誤解を生まないためには、具体的な時刻がわかっているときにはできるだけはっきりと言うようにしたほうがよいのではないでしょうか。「昼過ぎに打ち合わせをするから、よろしく」と伝えたのに正午になると後輩はさっさと昼食に出かけてしまった、という悲しい事態は避けたいものです。

「昼過ぎに運転を再開しました」は・・・(2008年3月~4月実施アンケート、1541人回答)

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)