最近気になる放送用語

カレーの「ルー」? 「ルウ」?

カレーの「ルー/ルウ/ルゥ」は、放送ではどのように書くのがよいのでしょうか。

カタカナ表記の原則に従えば「ルー」となります。

解説

製品名などで「ルウ」「ルゥ」といった書き方も実際には見られますが、その製品の名前を固有名詞として取り上げるのでないかぎり、「ルー」と書くのが基本です。

現代日本語では外来語をカタカナで書く場合、長音(のばす音)は「ー」を使うことになっています。例外として「ー」を使わないのは、料理で使う「ボウル」(球の「ボール」と書き分けるため)や娯楽の「ボウリング」(掘削の「ボーリング」と書き分けるため)など特別な事情があるものだけです。

いっぽう、カレーの「ルー」はフランス語rouxから来たことばですが、これをあえて「ルウ」あるいは「ルゥ」と書くような特別な理由は見当たりません。1935(昭和10)年に出た新語辞典(『万国新語大辞典』)にも、「ルー」という形で載せられています。

「ルウ」あるいは「ルゥ」という書き方は、おそらく戦後に特定の食品メーカーが採用したことによって広まったのではないかと推定しています。

このことばの書き方について、NHK放送文化研究所で2007年にウェブ上でのアンケートをおこなってみたところ、全体としては「ルー派」が「ルウ派」を上回りました。ただしこれには男女差が見られ、女性には「ルウ派」もかなりいることがわかりました。おそらく、箱に入って売られている「ルウ」を目にしながら買い物や料理をする機会が多いことによるものでしょう。

なお、「ルー」は小麦粉とバターを加熱しながら混ぜ合わせたものです。これにカレー粉を加えたのが「カレールー」で、固形や粉末の形で店頭で売られています。あくまで「料理の材料の1つ」です。料理としてできあがったカレーの「とろっとした汁」のことを「ルー」と呼ぶ人がいますが、これは本来からすればまちがった使い方です。

カレーの「○○」は・・・(ウェブ上アンケート、2007年2月~3月実施、1,343人回答)

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)