最近気になる放送用語

ホチキスの「金具」の呼び名

紙をとじるのに使うホチキスの金具は、何と呼んだらよいのでしょうか。

「はり」と呼ぶのが最も一般的です。ただし、若い人の間では「しん」と呼ぶ人も増えています。

解説

このことばについて、98年にNHK放送文化研究所で全国調査をおこなったことがあります。

  • はり …  46%(うち20代  33%)
  • しん …  26%(  〃   51%)
  • たま …  19%(  〃  14%)

全体では「はり」が最も多かったのですが、金属でできた「針」のようなものだからこのように呼ばれているのでしょう。ある文房具メーカーのカタログにも「ハリ」ということばが出ていました。

いっぽう2位の「しん」は、「芯(しん)」とも「針(しん)」とも解釈することができます。この呼び名が若い人の間で増えているのは、「シャープペンシルの芯」からの類推だと思います。つまり、シャープペンシルが筆記用具として一般に普及したことが、ホチキスの金具の名称にも影響を及ぼした、と想像することができるでしょう。

ホチキスは、アメリカの兵器開発者ホチキス氏(B.B.Hotchkiss)が、機関銃の弾丸送り装置にヒントを得て考案したものとされています。商標名であると示した資料もありますが、現在では「紙をとじる文房具」の一般名称として放送でも使うことができます。これと同じ意味の「ステープラー」という言い方も問題ありません。

なお、一般には「ホッチキス」と言うことが多いかもしれませんが、NHKで採用しているのは促音(小さい「っ」)のない「ホチキス」ということばなので、ご注意ください。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)