最近気になる放送用語

~おきに

コメントで「1時間おきにサイレンが鳴ります」と書いたら、あいまいだと指摘されました。

「~おきに」という表現は、人によって受け取り方が違ってくる場合があるので、注意が必要です。

解説

なぜあいまいだと言われたのか、その理由について考えてみましょう。

いま、1回目のサイレンが鳴ったのが午前9時だったとします。「1時間おきに」だとしたら、次は何時でしょうか。「10時」と考える人が多いのですが、「11時」と答える人もいるのです。

なぜ2つの解釈が出てくるのでしょうか。いろいろな要因がありそうなのですが、その1つとして、「~時間」などの「助数詞」の部分の違いが考えられそうです。

  • 「1秒おきに画面がかわります」
  • 「山手線は1分おきに来ます」

この場合、ほとんどの人は「毎秒」「毎分」と同じ意味だと考えるでしょう。では、

  • 「1日おきに船が来ます」
  • 「1週間おきに通院しています」
  • 「ひと月おきに試験があります」
  • 「1年おきにすい星がやって来ます」
  • 「1世紀おきに大地震があります」

この場合はどうでしょうか。多くの人は「2日に一度」「2週間に一度」「ふた月に…」というように考えるのではないでしょうか。

これは正直なところまだ研究の途中なのですが、「分、秒」のように小さい単位と、「日、週間、月、年、世紀」のように大きい単位とで、解釈が違ってくるようなのです。そして、その中間に位置する「1時間おきに」は、両方の解釈が生まれてしまうのではないでしょうか。

いずれにせよ、放送で使う場合には、誤解を避けたいものです。その点で「~ごとに」は誤解の余地がないので、「1時間ごとにサイレンが鳴ります」あるいは「2時間ごとにサイレンが鳴ります」のように、場合によっては言い方を工夫することも必要でしょう。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)