最近気になる放送用語

間違う? 間違える?

「間違う」と「間違える 」とは、どう違うのでしょうか。

非常に微妙な違いがあります。「間違う」は「正しい(あるべき)状態から外れていること」、「間違える」は「AとBとを取り違えること」がそれぞれ意味の中心になっていると言えます。

解説

まず「間違う」は、ある「正しい状態」があるのにそのようになっていない、というときに使われます。例えば「人として間違った道を歩む」の場合、「道義的に正しい生き方」というものがあるにもかかわらずその道を歩んでいない、ということを表します。この場合、「人として間違えた道を歩む」とはふつう言いません。

一方「間違える」は、ある2つのものについて「取り違える」ことを表します。「ブーツの左右を間違えて履いてしまった」と言った場合、「右と左とを取り違えてしまった」という意味になります。ただし、右用は右足に、左用は左足に履くのが正しい履き方だ」というニュアンスがあれば、「間違って履いてしまった」と言うことも可能です。

何かの試験を受けたときに、「あるべき正解から外れた」という意味では「答えを間違った」ですし、「正解はAであるのにBと書いてしまった」という意味では「答えを間違えた」ということになります。多くの場合には両方とも使えることが多いのですが、とらえ方が違うのです。

なお名詞の形になると、どんな場合でも「間違え」より「間違い」のほうが多く使われるようです(例「[間違い/間違え]を見つけた」)。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)