最近気になる放送用語

負けず嫌い?

「負けず嫌い」という言い方はおかしいのではないか、と指摘されました。

「負けない」ことが「嫌い」なのだとすれば、「勝つのが嫌い、負けるのが好き」という意味になるのではないか、という解釈によるものでしょう。しかし「負けず嫌い」は、「負けるのが嫌い」ということを表すのに使われる一般的な表現として、現在では認められています。

解説

「負けず嫌い」という言い方が生まれたのには、さまざまな説があります。明治時代には、「負け嫌い」という言い方がされていました。「負けるのが嫌い」という意味なので、まさに本来の表現だと言えます。これと並んで、「負ける嫌い」というものもありました。また、これとは別に「負けず魂/負けじ魂(他人に負けまいとがんばる気持)」ということばもありました。この「負けず魂」と「負ける嫌い」とが合わさったものが、「負けず嫌い」なのではないでしょうか(定説ではありませんが)。

「負けず嫌い」は確かに理屈に合わない表現かもしれませんが、現在ほとんどの辞書に載っている表現であり、これを「間違っている」と決めつけるのは不適切でしょう。

なお「食わず嫌い」ということばは、「食べてみないのに嫌い」という意味ですから、まったく問題ありません。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)