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最近気になる放送用語

濃(こ)いめ? 濃(こ)め?

「味が濃いめ」という言い方をしたところ、「濃め」が正しいのではないか、という指摘を受けました。

放送では、「こいめ」(表記「濃いめ」)を使うようにしています。

解説

ただし、「『濃め』が正しいのではないか」という考えがあることにも、それなりの理由があります。

形容詞に「~め」が付く場合には、その「語幹」に付くのがふつうです(『ことばのハンドブック 第2版』P.74)。「語幹」とは、形容詞から「い」を除いた部分のことです。

(例)「大きい」

  • →語幹は「大き」
  • →「大きめ」(×大きいめ)

これは、「少ない→少なめ」「多い→多め」「かたい→かため」のように、規則的になっています。ここからすると、「濃い」の場合は「濃め」が正しいことになってしまいます。

ただし、ことばの全国調査の結果から、「濃め」という言い方をする人はたいへん少ないことが分かっています。このため、「濃い」の場合には例外的に「濃いめ」を使うことになっています。

「甘い→甘口」「辛い→辛口」のような「~口」も、語幹に付きます。これも、「濃い」の場合は例外的に「濃い口」となります。「薄茶」に対して「濃い茶」と言うのも、同じ理由です。ただし、「~すぎる」の場合は「濃いすぎる」ではなく「濃すぎる」となります。

なお、「濃口」「濃茶」と書くと、「こくち」「こちゃ」と読むことになってしまうので、「濃い口」「濃い茶」と「い」を入れて書くようにしましょう。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)