最近気になる放送用語

かつて? かって?

「かってここに住んでいた人々は・・・」と言うコメントを書いたら、デスクに「かつて」と直されました。「かって」はいけないのでしょうか。

〔カッテ〕は誤読から生まれたものです。放送では〔カツテ〕を使いましょう。 伝統的な日本語では〔カツテ〕が正しく、室町時代の日本語をローマ字で記した史料にもちゃんと〔カツテ〕と発音するように書かれています。

解説

〔カッテ〕が出てきた背景は、次のように考えられます。

  1. 戦前の日本語では、つまる音を「っ」と書く習慣があまりなかった。たとえば、「行つて」「買つて」と書いて〔イッテ〕〔カッテ〕と読むのがふつうであった。
  2. このため、本来は〔かつて〕と書いて〔カツテ〕と読むのが正しいにもかかわらず、間違って〔カッテ〕と読む人が出てきた。
  3. 戦後、大きい「つ」と小さい「っ」とをきちんと書き分けるようになったが、〔カッテ〕と言ういい方は後々まで生き残った。そのため、「かって」と書く人も出てきた。

「かって」以外にも、「つ」でいいのに誤って「っ」が使われてしまうものがあります。これからも、戦前から使われていることばです。

  • ×ウオッカ → ○ウオツカ
  • ×カムチャッカ → ○カムチャツカ

以前に「ポッダム宣言」と言うのを耳にしたことがありますが、これにはびっくりしました。発音・表記で迷ったら、『発音アクセント辞典』『用字用語辞典』『ことばのハンドブック』をぜひご覧ください。

 

※なお2012年12月7日以降、放送では「ウオッカ」という発音・表記を用いるように変更いたしました。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)