最近気になる放送用語

「カ゜?」

『NHK日本語発音アクセント辞典』に、「カ」に「゜」の付いた[カ゜]という文字がありました。これは何ですか。

これは、鼻濁音とかガ行鼻音などと呼ばれるものです。簡単に言うと、「やや鼻にかかったガ行の音」となります。

解説

日常の会話で鼻濁音が使われることは首都圏でも少なくなりつつありますが、NHKのアナウンサー教育では、鼻濁音を発音することができるように指導しています。本当は実際の音でお聞かせできれば一番いいのですが、文字でむりやり再現してみます。

  1. 「だんご、だんご、だんご、だんご」と言い続けてみる。
  2. こんどは「だんーご、だんーご」と言ってみる(だーんご、ではありません)。ここの「んー」は、鼻から息が抜けているのが分かると思います。
  3. 「だんーご、だんー・・・」のあと、すかさず「ご」ではなく軽く「おっ」と言ってみる。このとき、息が鼻から抜けるように意識する。
  4. のどの奥で引っかかる感じがしない音が出たでしょう。これが[コ゜]です。

[カ゜キ゜ク゜ケ゜]も同じようにして発音することができます。なお、ことばの頭にあるガ行は鼻濁音で発音しないので、「ごまだんご」は[ゴマダンコ゜]となります。

(『アクセント辞典』の巻末12ページおよび228ページを参照)

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)