最近気になる放送用語

「わたし的には」

ある番組で「わたし的にはいいと思うんですが」というのを聞きましたが。

「~的」という言い方の中には、不自然な感じを与えるものがあります。最近行った調査では、「この服は長さ的にはちょうどよい」という文を不自然だと感じる人は46%でした。これは「長さはちょうどよい」としたほうが、自然な表現です。

解説

「~的」には、「そのものではないが、それに似た性質を持つ」という意味があります。意味をぼかしてあいまいにしておくことができるので、話し手側にとっては楽な表現です。しかし、聞き手には意味がよく伝わらないことがあります。「わたしは」とはっきり言わずに、「わたし的(ぼく的、おれ的)には」という言い方をする背景には、「自分」という存在をあいまいなままにしておきたい、という気持があるのでしょうか。

「確定的な、画期的な、強制的に、局地的な、形式的な、献身的に」などは、不自然な表現ではないにしても、「確かな、今までにない、むりやりに、(その)地方だけの、形式ばった、身を投げ出して」などとしたほうが、聞き手に伝わりやすい言い方になります。

放送の原稿・コメントは、「~的」をなるべく使わずに、わかりやすい直球勝負でゆきたいものです。

(メディア研究部・放送用語 塩田雄大)