放送現場の疑問・視聴者の疑問

「大舞台」の読みは、[ダイブタイ]?[オーブタイ]?

オリンピックやワールドカップなどの番組で、「大舞台」を「オーブタイ」という場面が増えたような気がします。以前は、「ダイブタイ」が多かったように思いますが、どちらが正しいのでしょうか?

「ダイブタイ」でも、間違いではありませんが、NHKの放送では、「オーブタイ」と言うようにしています。

解説

現在、「大舞台」の読みについては、「「晴れの場・活躍の場」の意味の時は①「オーブタイ」②「ダイブタイ」、古典芸能の場合は「オーブタイ」(×「ダイブタイ」)」として、「オーブタイ」を推奨の読みとしています。しかし、実は一時期、「活躍の場」の意味の場合は、「ダイブタイ」の読みのほうを推奨としていたことがあります。昭和63年と平成3年に行った調査で、「ダイブタイ」と読む人が8割近くいたことなどから、第1121回放送用語委員会(平成5年)で審議し、「活躍の場」の意味では「ダイブタイ」、古典芸能の場合は「オーブタイ」と、意味による読み分けをすることにしたのです。しかし、近年「大舞台」という語がかなり使われるようになった結果、「オーブタイ」が伝統的な読みであり、「ダイブタイ」は誤用であるという意識が広がりはじめ、放送で「ダイブタイ」を使うと「オーブタイ」の間違いではないか、などといった問い合わせを多く受けるようになりました。また、国語辞書も、「ダイブタイ」の読みを載せている辞書はありませんでした。そこで、第1275回放送用語委員会(平成17年)で、再度検討し、推奨の読み方を「オーブタイ」に戻すことにしたという経緯があります。当時の用語決定報告でも詳しく示されています。参考にしてください。
//www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/yougo/pdf/008.pdf

(メディア研究部・放送用語 滝島雅子)