桜前線(~前線)は、どんな前線?
なぜ「~前線」と言うの?
2013.04.01
ことしも桜の季節・春の行楽シーズン到来。この時期「桜前線」ということばが放送でもよく使われますが、なぜ「前線」と言うのでしょうか。
桜の開花日が同じ日にあたる地域・地点ごとに地図のうえで結んだ線の様子が、天気図の前線とよく似ているので「前線」と呼ばれるようになりました。
解説
同じ種類の植物の開花日が同じ地点を線で結んで地図上に表したのが「開花前線」で、このうち桜の開花日についての「桜前線」が一般的に知られています。3月半ば以降に九州や四国の南部から北上を始める「桜前線」は、4月末から5月初めごろに東北地方から津軽海峡を渡って北海道に上陸。この後、5月中旬から下旬にかけて終着駅の北海道東部・北部に到着します。
放送での表記は「桜前線」または「サクラ前線」にしています。
この「桜前線(サクラ前線)」は、メディア(新聞や放送など)が使い始めた語で、古い資料や新聞を調べてみますと1970代後半から80年代初めにかけて広く使われだしたようです。
各地の「桜開花」の観測の対象になっている桜の主な品種は「ソメイヨシノ」で、沖縄と鹿児島県奄美地方は「ヒカンザクラ」、北海道では「ソメイヨシノ」と「エゾヤマザクラ」を観測しています。これらの桜を気象庁では「標本木」と呼んでいますが、放送では「開花(観測)の目安(基準)になっている~」などと言い添えや言いかえをして伝えるようにしています。
「標本木」は、各地の気象台や測候所の構内をはじめ公園や神社などにあります。
ところで、気象庁は昭和30(1955)年から毎年3月~4月に全国の「桜の開花予想」(さくらの開花予想の
「花の雲 鐘は上野か浅草か」(松尾芭蕉)