放送現場の疑問・視聴者の疑問

「大寒」「小寒」「余寒」

寒さが厳しさを増す年明け以降に、「大寒」「小寒」「余寒」や「寒の入り」などということばを見たり聞いたりします。これらの語の意味や由来、使い方を教えてください。

「大寒」[ダイカン]「小寒」[ショーカン]は、いずれも季節の基準を示す「二十四節気」[ニジューシセッキ]の1つです。「小寒」の日が「寒の入り」です。「余寒」[ヨカン]は「立春」後の寒さを指します。

解説

「大寒」「小寒」は、「立冬」や「冬至」などと同じ「二十四節気」の1つで、農作業などの目安にするために中国で作られた季節を示す基準です。

「大寒」(1月20日ごろ)は「一年じゅうで最も寒いころ」、「小寒」(1月5日ごろ)は「寒さがしだいに厳しくなっていくころ」で、「小寒」の日から「寒」の季節に入ります。「寒の入り(寒入り)」です。

「寒中」「寒の内」は、「小寒」から「立春」の前日の「節分」(*注)までの約1か月間を指します。「余寒」は「立春」後の寒さを表す語で、「立秋」後の暑さを表す「残暑」に対することばです。「寒の戻り」は、春になって気温の上がる時期に突然やってくる寒さのことを言います。

ところで、このような季節の節目を示すことばで「~入り・~明け」という言い方があります。放送では「寒の入り・寒の明け」「土用の入り・土用の明け」(一般的には夏の土用だけ)「梅雨入り・梅雨明け」は使いますが、「盆の入り・盆の明け」は使いません。「彼岸」の場合は「入り」は使いますが、「明け」は使いません。 また、「大寒の入り」という言い方はしません。「大寒の入り」については、『新聞用語集 2007年版』(日本新聞協会)や通信社の『用字用語ハンドブック』でも誤りやすい慣用語句の1つとされています。

その年ごとの「二十四節気」については、日本独自の暦である「雑節」とあわせて国立天文台が毎年2月初めに翌年の暦(暦要項)を発表しています。

2008年の「小寒」「大寒」「立春」は以下のとおりです。

・「小寒」1月6日・「大寒」1月21日・「立春」2月4日

(*注 「節分」は、「土用」や「彼岸」などと同じ「雑節」の1つ)

(『NHK気象・災害ハンドブック』p.25、p.109、p.113『NHKことばのハンドブック 第2版』p.20参照)

「鎌倉を驚かしたる余寒あり」(高浜虚子)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)