放送現場の疑問・視聴者の疑問

「2007年」「平成19年」の読み

年が明けて「2007年」「平成19年」を迎えましたが、「2007年」と「平成19年」の数字の発音・読み方について[ニセンシチ(ネン)]と[ニセンナナ(ネン)]、[(ヘイセイ)ジュー(ネン)]と[(ヘイセイ)ジューキュー(ネン)]の2とおりの読みを耳にします。放送での読み方は、どのようにすればよいでしょうか。

2007年→(1)ニセンシチネン(2)ニセンナナネン
(平成)19年→(1)ジュークネン (2)ジューキューネン
このように、放送では原則として(1)の読みを基準とし、場合により(2)の読みをしてもよいことにしています。

解説

放送での数字の発音・読み方については、数字だけの単独の場合の発音と数字の後に名詞(助数詞や単位)が付く場合の発音とは、必ずしも同じではありません。

数字の単独の場合の発音のうち、基準となる10以下の整数の発音は以下のとおりです。

  • 0・・・・・・・・・レイ
  • 1・・・・・・・・・イチ     6・・・・・・・・・ロク
  • 2・・・・・・・・・ニ      7・・・・・・・・・ナナ(シチ)
  • 3・・・・・・・・・サン     8・・・・・・・・・ハチ
  • 4・・・・・・・・・ヨン(シ) 9・・・・・・・・・キュー(ク)
  • 5・・・・・・・・・ゴ     10・・・・・・・・・ジュー

<注*4[ヨン(シ)] 7[ナナ(シチ)] 9[キュー(ク)]は、原則として[ヨン][ナナ][キュー]と初めの発音を優先するが、場合により( )内の発音つまり[シ][シチ][ク]と発音してもよいことを示す。>

しかし、これらの数字の後に名詞(助数詞や単位)が付く場合の発音・読み方には、それぞれの語の伝統的な独自の読みや慣用があり、単独の数字の発音と一致するとは限りません。数字の後ろに「年」が付く場合も、その1つです。

このように数字に名詞が付く語のうち、読みを間違ったり迷ったりしやすい語の発音について『NHKことばのハンドブック 第2版』は「色[イロ]」から「椀[ワン]」まで200に及ぶ語の用例を示し、このうち数字に助数詞の「年」が付いた場合の読みについては、以下のように示しています。

  • 1 イチ   2 ニ  3 サン   4 ヨ   5 ゴ  6 ロク
  • 7 シチ(ナナ)   8 ハチ   9 ク(キュー) 10 ジュー

この原則に従い・・・

  • 2007年の読みは (1)ニセンシチネン(2)ニセンナナネン
  • (平成)19年の読みは(1)ジュークネン (2)ジューキューネンです。

この(1)(2)は、それぞれの語の発音・読み方の優先順位を示します。これは、原則として放送では(1)の読みを第1の基準とし、(2)の読みは許容―つまり場合により許される発音ということです。

ところで、ニュースや番組の内容をより分かりやすく聞き取りやすくするために、実際の放送では数字の読み方とあわせて「平成19年、2007年は…」、あるいは「団塊の世代と言われる人たちの多くが定年を迎える今年、2007年は…」など、状況や場合により語を重ねたり言い添えたりする表現上の配慮と工夫も必要です。

(『NHKことばのハンドブック 第2版』p.329~363参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)