放送現場の疑問・視聴者の疑問

「二十四節気」

天気に関連したニュースや気象情報で、「二十四節気」ということばがよく出てきます。先月21日にも朝の気象コーナーなどで「きょうは二十四節気の一つ『冬至』です」と言っていましたが、「二十四節気」の由来・意味を教えてください。

「二十四節気」は、農作業などの目安にするために中国で作られた季節を示す基準です。読みは[ニジュー・シセッキ]です。

解説

「二十四節気」は、太陰太陽暦が使われていた時代に春分を基点に 1年を24等分したもので、それぞれその季節にふさわしい名前が 付けられています。略して「二十四気」「節気」という言い方もあり ますが、放送では「二十四節気」を使っています。日本の季節に置き 換えると多少ずれが感じられるのは、古代中国の黄河流域の季節に 基づいているためです。

  • 春・・・立春、雨水、啓蟄(ちつ)、春分、清明、穀雨
  • 夏・・・立夏、小満、芒(ぼう)種、夏至、小暑、大暑
  • 秋・・・立秋、処暑、白露、秋分、寒露、霜降
  • 冬・・・立冬、小雪、大雪、冬至、小寒、大寒

このうち、比較的なじみが薄いと思われるものについては、 放送では随時説明を付けることにしています。例えば・・・

  • 「雨水」[ウスイ]-「雪が雨に変わるころ」
  • 「啓蟄(ちつ)」[ケイチツ]-「冬眠をしていた虫が穴から出てくるころ」
  • 「清明」[セイメイ]-「明るく清らかな季節」
  • 「穀雨」[コクウ]-「春雨が降って百穀(いろいろな穀物)をうるおし、芽を出させる」
  • 「小満」[ショーマン]-「生物がしだいに生長するころ」
  • 「芒(ぼう)種」[ボーシュ]-「稲や麦の種をまいたり、苗を植えたりするころ」
  • 「小暑」[ショーショ]-「本格的な暑さが始まるころ」
  • 「処暑」[ショショ]-「暑さもおさまるころ」
    (「処」は、「ある場所に落ち着く、おさまる」という意味)
  • 「白露」[ハクロ]-「野の草に露が宿って白く見え、秋の趣がひとしお感じられるころ」
  • 「寒露」[カンロ]-「露も冷たく感じられるころ」
  • 「霜降」[ソーコー]―「霜が降りるころ」
  • 「小雪」[ショーセツ]-「小雪がちらつき始めるころ」
  • 「大雪」[タイセツ]―「大雪の降り出すころ(と言われている)」
  • 「小寒」[ショーカン]-「寒さがしだいに厳しくなっていくころ」
  • 「大寒」[ダイカン]―「1年中で寒さが最も厳しいころ」

また、「雑節(ざっせつ)」は、さらに季節の変化・移り変わりを つかむために日本で補助的に作られたもので、「彼岸」「八十八夜」 「土用」「二百十日」「節分」などがあります。

(『改訂版NHK気象ハンドブック』P166~169参照)

「大寒やしづかにけむる茶碗蒸」(日野 草城)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)