放送現場の疑問・視聴者の疑問

「模様」?「文様」?「紋様」?

織物・染め物や美術工芸品などに装飾としてつける図形・図案、色の組み合わせについて、「模様」「文様」「紋様」といった書き方や言い方を見たり聞いたりします。放送での使い分けは、どのようにしているのでしょうか。

広い意味で一般的に使う場合は「模様」とし、特定の分野では慣用にあわせて「文様」と「紋様」を使い分けています。

解説

美術・工芸における模様の様式をさすことばとしては、「文様」という慣用が確立しています。また、織物、染め物などの模様を「紋様」と呼ぶことがあります。こうした使い方を踏まえたうえで、放送では次のように使い分けています。


  • 模様[モヨー]・・・ 「文様」「紋様」を含む広い意味で一般的に使う。
  • 文様[モンヨー]・・ 美術・工芸における模様の様式をさす場合は「文様」と してもよい。
  • 紋様[モンヨー]・・ 特定の分野で慣用が固定している場合に限って使う。
  •   <例>ちょうの羽の紋様、小紋の紋様

(『ことばのハンドブック』P184参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)