放送現場の疑問・視聴者の疑問

「新手」の読み方は?

「新手の軍勢」「新手の詐欺事件」などと言う場合の「新手」について、「あらて」と「しんて」の2とおりの読み方を聞いたことがあります。どちらが正しいのでしょうか。

「あらて」という読み方が一般的で、放送でも特別の場合を除いて「あらて」と読んでいます。

解説

「新手」は、「(1)まだ戦わない、元気な兵隊。(2)あたらしく仲間に入ってきた人。(3)新しい手段・方法。」(新潮現代国語辞典)の意味で、ほかの辞書も同じような記述をしています。このうち、(3)の意味に限って「しんて」という読みを示している辞書もありますが、読み方については「あらて」が一般的とされています。ただし、将棋や囲碁の場合は、「しんて」と読みます。このため、放送でも囲碁・将棋のほか、「新手を繰り出す」など新しい手段・方法を強調する場合を除いて、普通「あらて」と読んでいます。

(『日本語発音アクセント辞典』P29、P444参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)