電子計算機は「コンピュータ」「コンピューター」? 他
2002.12.01
以前から気になっていることですが、電子計算機について、「コンピュータ」と「コンピューター」の両方の書き方を見ます。放送での決まりはあるのでしょうか。
「コンピューター」と長音符号をつけてのばしています。
解説
「computer」について電子機器業界など専門分野では、確かに「コンピュータ」というように語末に長音符号をつけない場合が多く、『学術用語集』(電気工学編)でも「コンピュータ」と表記しています。しかし、外来語には特に英語には、「computer」をはじめ「elevator」「calendar」のように「-er」「-or」「-ar」などで終わる単語が多く、カタカナにする場合その大部分は一般には長音符号「ー」をつけて書く傾向があり慣用化しています。このため、放送での表記・書き方は「コンピューター」とし、読む時も語尾をのばしています。国内の主な新聞社や放送局も同じ表記をしています。
また、語末が「-y」で終わる「party」や「authority」も、「パーティー」「オーソリティー」のように原則として長音符号を用いて書いています。
<例外>
Kennedy ケネディ(人名)
このほか、外来語の長音符号の表記についてはNHKでは次のような放送上の細 則(決まり)を設けています。
- (1)原語の二重母音[ei][ou]などは、原則として「ー」を用いて書く。
<例>
ゲーム:game メール:mail レート:rate
ボート:boat ホーム:home ローン:loan
<例外>
エイト:eight ペイ:pay レイアウト:layout
フェイルセーフ:fail-safe ケインズ:Keynes(人名)
サラダボウル:salad bowl ボウリング:bowling - (2)慣用により長音符号の代わりに母音字を添えて書くものがある。
<例>
バレエ:ballet(フランス語,×バレー)
「排球」はバレーボール
ミイラ:mirra(ポルトガル語,×ミーラ)
(『ことばのハンドブック』P212~213参照)