放送現場の疑問・視聴者の疑問

「逆手」の読み方は?

「相手の出方を逆手に取る」などのように、ひゆ的に用いる場合の「逆手」の読みは、「ギャクテ」と「サカテ」のどちらでしょうか。

放送では、ひゆ的に言う場合に限って両方の読み方をしています。

解説

「逆手」の読みには、「逆」を音読みにする「ギャクテ」と、訓読みにする「サカテ」があります。このうち、「相手の出方を逆手に取る」などのように、ひゆ的な使い方をする場合は「ギャクテ」と読むのが従来の一般的な読み方で、辞書類の多くも「ギャクテ」の読みを採っています。しかし、NHKが平成2年(1990年)3月に首都圏在住の16歳以上の人たちを対象に行った調査では、「相手の出方を逆手に取る」を「サカテ」と読むと答えた人が7割以上に達し、その後の調査でも「サカテ」と読む人が増える傾向にあります。

このため、「逆手」の読みについて、放送では次のようにしています。


  • 「相手の出方を逆手に取る」
    ①ギャクテ ②サカテ
  • このほかの「逆手」は、次のように使い分ける。
    (1)柔道などの場合「逆手を取る」・・・ギャクテ
    (2)短刀・刀を「逆手に握る・持つ」・・・サカテ
    (3)体操の鉄棒の「逆手車輪」・・・サカテ

(『ことばのハンドブック』P49参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)