放送現場の疑問・視聴者の疑問

「延焼」と「類焼」の使い分けは?

火事のニュースで出てくる「延焼」と「類焼」についての違い・使い分けを教えてください。

放送では、次のように使い分けています。
延焼・・・火事が燃え広がること。
類焼・・・ほかの所から出火した火事(もらい火)で、焼けること

解説

国語辞書の説明では、「延焼」が「火事が燃え広がること。火災が他におよぶこと」(広辞苑)、「[火事などが]ひろがること。燃えひろがって、焼くこと」(三省堂国語辞典)、「火事が、火もとから別の建物にまで燃え広がること」(角川必携国語辞典)などとなっています。一方、「類焼」は、「よそから燃え移って焼けること」(広辞苑)、「他人の家の火災のために、自分の家が焼けること」(三省堂国語辞典)、「よそから出た火事が燃えうつって焼けること」(角川必携国語辞典)などとなっています。

こうした説明をふまえたうえで放送では、「延焼」は、「火事が(別の建物や地域に)燃え広がること」、「類焼」は、「他から出火した火事(もらい火)で、(自分の家・建造物などが)焼けること」として、適宜使い分けています。

(『ことばのハンドブック』P23参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)