なぜ紅葉「狩り」?
2000.10.01
10月に入り、紅葉の便りが聞かれるようになりましたが、紅葉見物のことを、何かを捕まえるわけでもないのになぜ「紅葉狩り(もみじがり)」というのでしょうか。
季節の花や草木を山野にさがし求める様子を、獲物を追う「狩猟」になぞらえて「~狩り」という言い方が古くからあり、「紅葉狩り」もそうです。
解説
「狩り」は、一般的には「鳥や獣を捕らえること」―「狩猟」を指しますが、これに加えて「魚や貝、きのこをとったり、自然の中で季節の花や植物を求め、その美しさを観賞したりする」場合にも、そのことばを前につけて「~狩り」という形で使われます。「潮干狩り」「きのこ狩り」「蛍狩り」「桜狩り」などの言い方があり、「紅葉狩り」もその一つです。また、「紅葉狩り」には、「紅葉見(もみじみ)」や「観楓(かんぷう)」という言い方もあります。
なお、各地のもみじなどが紅葉する日を結んだ線を、「桜前線」と同じように、俗に「紅葉前線」[コーヨーゼンセン]または[モミジゼンセン]と言います。この「紅葉前線」は、北から南へ、また山頂からふもとのほうへと下りてきます。
[コ-ヨー]には、葉がカエデやウルシの木のように赤・紅色に変わる「紅葉」と、イチョウやポプラ、ダケカンバのように黄色に変わる「黄葉」の二つの書き方があります。放送では、「紅葉」は「葉が赤くなる」、「黄葉」は「葉が黄色になる」などの説明を付けるようにしています。
(改訂版気象ハンドブックP140参照)
「こどもの手 いつもあたたか紅葉狩」(岡田 日郎)