放送現場の疑問・視聴者の疑問

「遺体」と「死体」、使い分けは?

事件や事故のニュースで出てくる「遺体」と「死体」ということばは、どのように使い分けているのでしょうか。

普通は「遺体」を使うようにしています。

解説

「死体」の対語は「生体」で、どちらも即物的な語感が強いことばです。これに対して、「遺体」は人格を主体にした言い方で、辞書の中には「死体よりていねいな言い方」「死体に比べて、死者への敬意がこめられた表現」などと説明しているものもあります。このため、一般的には「遺体」を使うほうがよく、放送でもできるだけ「遺体」を使うようにしています。ただし、生死がそのニュースの主要な内容である場合などは、生死を端的に伝えるために「死体」を使うこともあります。

(ことばのハンドブックP14参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)