放送現場の疑問・視聴者の疑問

「春の長雨」と「菜種梅雨」、同じ意味?

春先に降り続く雨を、「春の長雨」や「菜種梅雨」と言うのを耳にしますが、同じことを指しているのでしょうか。

同じ意味です。

解説

3月中ごろから4月にかけて高気圧が北に片寄ると、日本の南岸沿いに前線が停滞して、関東以西では梅雨どきのような雨が降り続きます。菜の花の咲くころにあたるため、「菜種梅雨(なたねづゆ)」と言われています。「春の長雨」「春霖(しゅんりん)」のほか、「催花雨(さいかう)」という言い方もあります。「催花雨」は、桜をはじめいろいろな花を催す(咲かせる)雨という意味です。「催花」が同音の「菜花」に通ずることから、「菜花雨」「菜種梅雨」になったという説もあります。「春雨(はるさめ)」も、このころの雨を指して言う場合が多く、月形半平太の名せりふ「春雨じゃ、濡(ぬ)れてゆこう」も、草木の芽を張らせ花を咲かせる柔らかい春の雨だからこそ、粋(いき)に聞こえます。

なお、放送で「菜種梅雨」を言うときには、「菜の花の咲くころに降る・・・」などと必ず説明を付けるようにしています。

(気象ハンドブックP76ほか参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)