放送現場の疑問・視聴者の疑問

「大雪に見舞われ・・・」という言い方は好ましい?

先日、山陰・北陸を中心にした大雪のニュースが伝えられていましたが、こうした時、「大雪に見舞われ・・・」という言い方も聞きます。「見舞う」ということばの意味からも好ましくないのではないでしょうか。

「見舞う」には、「よくないこと・好ましくないことが襲う」という意味もあることから、「大雪」などの時に、慣用的に使われてきました。
しかし、放送では乱用は避けて、できるだけ具体的に表現するようにしています。

解説

「見舞う」には「げんこを見舞う」という言い方もあるように、「相手にとって好ましくないことをしたり、好ましくない状態にしたりする」「よくないことが急に襲う」という意味もあります。このため、従来「大雪に見舞われる」「大雨に見舞われる」というような表現も慣用として使われることが多かったようです。しかし、放送では「大雪が降って(積もって)・・・」とか「雪が50センチ積もって・・・」などと具体的に表現するようにしています。

(ことばのハンドブックP177参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)