放送現場の疑問・視聴者の疑問

「和尚」さん、読み方は「オショウ」?、「ワジョウ」?

お寺の「和尚」さんは、[オショー]とか[ワジョー]とか宗派によって言い方が違うと聞きましたが、放送ではどのように言っているのでしょうか。

一般的に寺の住職などをいう「和尚(さん)」は、宗派にかかわらず[オショー(サン)]と言っています。

解説

現在、日常の呼称としての「和尚」は、寺の内部でも必ずしも宗派による言い分けは行われていません。また、寺の内部では位階・役職によって呼ぶのが普通で、「和尚」が用いられることは少ないようです。そこで、放送では(1)一般的に寺の住職などを指す場合は、宗派に関係なく[オショー(サン)] と言っています。(2)「○○和尚」という形で歴史上の僧りょを言うときは、各宗派の慣用に従って次のようにしています。

  • 禅宗・浄土宗・・・オショー
  • 天台宗・華厳宗・・・カショー
  • 真言宗・法相宗・浄土真宗・・・ワジョー

奈良時代に鑑真が日本に伝えた律宗[リッシュー]は、「和上」と書いて[ワジョー]と言います。

(ことばのハンドブックP29参照)

「雨に濡れし 足を拭いぬ鑑真忌」(二塚 元子)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)