放送現場の疑問・視聴者の疑問

「競売」の読みは、「きょうばい」?「けいばい」?

「競売」の読みは、「きょうばい」「けいばい」どちらでしょうか。

「きょうばい」は一般用語で、「けいばい」は法律用語です。放送では、法律関係のニュースでも「きょうばい」と読んでいます。

解説

「競売」の読みについては、関連のニュースが出るたびに、放送現場や視聴者から「きょうばい」か「けいばい」か問い合わせがあります。かつて NHKでは、絵画や骨とう品の競り売りをさす一般的な「競売」は「きょうばい」、競売法による不動産競売といった法律用語の場合は「けいばい」と使い分けていました。しかし、1898年(明治31年)につくられた競売法(けいばいほう)は、民事執行法に吸収・統合されるなどして、「けいばい」という読み方が一般の人にはなじみがなく分かりにくいことから、放送では現在「きょうばい」の読みで統一しています。ただし、法律の専門家の間では「けいばい」が使われています。専門家特有の読み方は、一般にはなじみがうすいので、できるだけ避けたいものです。また、専門的な番組でやむをえず使う場合でも、ひとこと言い添える工夫が必要です。

(NHKことばのハンドブックP51参照)

(メディア研究部・放送用語 豊島 秀雄)