調査研究ノート

朝のテレビ視聴減少の背景を探る

~オンラインインタビューの発言から~

公開:2023年8月1日

朝のリアルタイム視聴の減少の要因について、「全国メディア意識世論調査・2022」の結果とオンライングループインタビューでの発言から、朝のメディア利用の実態を整理し、リアルタイム視聴減少の要因について考察した。
朝の習慣的なメディア利用は、生活シーンごとのニーズに合致しており、そのニーズには気分、情報性、時間意識といった多様な要素があることがわかった。朝は、スマートフォンが1日の始まりから使われており、テレビよりも先にスマートフォンに接し、スマートフォン上の様々なメディアを起床直後から見ているという状況があった。起床時、起床後と刻々と生活シーンごとの気分は変わり、起床時は刺激の少ない情報、起床後は前向きな気持ちになれるコンテンツを求める人が多かった。テレビのニュース番組で元気な気持ちを得る人もいれば、YouTubeから得る人もいて、朝に得たい効用をテレビだけでなく様々なメディアで満たしていた。また、リアルタイム放送の強みである「何かをしながら情報を得る」という特徴も他のメディアで代替されている可能性があった。リアルタイム放送の特徴の「時計代わり」「生活リズムを得る」という効用については、メディアで時間を意識する人が減っていること、習慣的なメディア利用をする人が若年層では少ないことから、そうした効用自体がメディアに求められなくなっている可能性がみえた。こうしたことを背景として朝のリアルタイム視聴が減少しているのではないかと考えられる。

世論調査部 渡辺洋子

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