世論調査からみえる健康意識と医療の課題

~ISSP 国際比較調査「健康・医療」・日本の結果から~

公開:2022年9月1日

NHK放送文化研究所が加盟する国際比較調査グループISSPが、2021年に実施した調査「健康・医療」の日本の結果から、医療や健康に対する人々の意識や態度について報告する。
▼心身の健康状態が『よくない』と回答した人は約3割で、「自分に自信がなくなった」(自信喪失)など精神的な自覚症状がある人は4割前後いた。そうした心身の自覚症状を抱える人は、女性で多く、精神的な症状については、特に若い女性で多かった。
▼「人々は、医療を必要以上に利用している」と思う人は約5割で、そうは思わない人の約2割を大きく上回るなど、日本では医療サービスが過剰に提供されていると認識している人が多い。
▼一方、医師や医療制度を信頼する人が増えて、新型コロナウイルスの感染拡大への対応が医療制度に対する信頼を『高めた』という人が4割いた。ただし、新しい感染症の治療体制については、6割を超える人が『整っていない』と思っている。
▼日本には必要な医療を受けられない人が『いる』と回答した人が8割を超えた。所得や国籍の違いによって、医療の受けやすさが異なると思っている人も7割以上に上る。しかし、所得の高い人が低い人より、質の高い医療を受けられることを「不公平」だと思わない人が増えている。

世論調査部 村田ひろ子

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