減少する中流意識と変わる日本人の社会観

~ISSP国際比較調査「社会的不平等」・日本の結果から~

公開:2020年5月1日

本稿では、NHK放送文化研究所が、国際比較調査グループ(ISSP)の一員として2019年11月に実施した、社会のさまざまな格差意識を探る「社会的不平等」に関する調査の日本の結果について、1999年と2009年の調査結果との時系列比較を中心に報告する。
今回の調査結果からは、低所得層の増加を背景に、「日本の所得格差は大きすぎる」と思う人が20年前に比べて増加するとともに、日本の「社会構造」が、中流層より下流層が多い構造になっていると感じる人が多くなり、自分が社会のどの階層にいるかという「階層意識」についても、中流よりも下の階層にいると思う人が増えていることが分かった。
その一方で、日本が「学歴がものをいう社会」や「お金があればたいていのことがかなう社会」だと思う人が減り、「自然や環境を大切にしている社会」「人との結びつきを大事にする社会」「努力すればむくわれる社会」だと思う人が増えていることも確認された。「自然や環境」「人との結びつき」「努力」に関しては、若年層での増加が顕著であり、若者の意識の変化が、日本人全体の社会観の変化に大きな影響を及ぼしていることも分かった。

世論調査部 小林利行

※NHKサイトを離れます

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