固定電話と携帯電話による電話世論調査の検証

~「社会と生活に関する意識・価値観」調査の結果から~

公開:2019年11月1日

NHKでは,2016年12月に固定電話に加え携帯電話も対象にする電話法(デュアルフレーム調査)を導入した。この調査法では,現在、抽出確率や男女年層などの属性をもとに補正するウエイト集計をおこなわず,固定電話・携帯電話それぞれの結果を単純に合計する集計方法を採用しているが,今後、固定電話所有者の減少と携帯電話所有者の増加がさらに進んだ場合、現在の方針を取り続けることが妥当なのかを検証するため、今年3月に実験調査を実施した。デュアルフレーム調査導入時の2016年12月以来2度目の検証で,主な結果は以下のとおりである。
・携帯調査では男性や若年層からより多くの回答を得ることができ,デュアルフレーム集計の男女年層別のサンプル構成比はより国勢調査の構成比に近づく
・固定調査と携帯調査の回答差はほとんどみられない
・固定電話と携帯電話の所有状況については,ウエイトをかけないデュアルフレーム集計の方が,世論調査(配付回収法)の結果に近い
・デュアルフレーム集計と3種類のウエイト集計の結果を比較したところ,ほとんどの質問で回答結果に差はなかった
以上のことから、固定電話と携帯電話による電話法(デュアルフレーム調査)については、当面は、ウエイト集計をおこなわず固定調査と携帯調査の結果を単純に合計する、というこれまでの方針を変更する必要はないと考えられる。

世論調査部 平田明裕

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