生活時間調査のデータから、現在の日本人の生活実態について明らかにするシリーズの2回目として東京圏と大阪圏の生活時間を取り上げる。東京圏と大阪圏は、平日の大まかな生活時間の配分はそれ以外の地域と違わないが、有職者に限ってみると、平日は大都市圏の方が仕事など拘束行動が長く、睡眠など必需行動が短めである。そして、「ビデオ」の利用がそれ以外の地域と比べて高くなるなど、大都市圏特有の「効率性」を重視した時間の使い方であることがわかる。次に東京圏と大阪圏の違いについて詳しくみると、東京圏の有職者は朝早く起き仕事をしており、大阪圏は夜遅くまで起きていることがわかる。また、メディア利用を両都市圏全体で比較すると、平日のテレビは朝が東京圏で多めにみられているが、夜間は大阪圏が深夜まで見ている。これが土曜・日曜になると、大阪圏の昼間帯での視聴が増えてくる。また、インターネット利用は、平日夜間は東京圏での利用が多めだが、土曜・日曜になると、深夜や昼間帯など大阪圏の利用の方が多めである。このように現在でも東京圏と大阪圏で生活時間の違いが多少みられたが、今後、人口構造が変化する中で大都市圏、特に東京圏には人口が集中することから、東京圏は大都市圏特有の生活時間を維持し、大阪圏はそれ以外の地域と同様に高齢化の影響を強く受けた生活時間になることが考えられる。
東京圏の生活時間・大阪圏の生活時間
公開:2017年6月1日
世論調査部 林田将来
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