家族と食の関係は変わるのか

~「食生活に関する世論調査」から②~

公開:2016年11月1日

「食生活に関する世論調査」の報告第2回は、誰と食事をするのかという“共食”のありかたや食事作りの分担など、家族と食をめぐる関係を中心に考察する。

高齢化や未婚化の進行による単身世帯の増加など、家族を取り巻く状況が様変わりするなかで、共食のありかたも変化している。すべての食事を「毎日」1人でとっている人は、全体では9%であるが、一人暮らしの60代以上では67%に達し、単身高齢者で“孤食”が常態化している。

家族と住んでいる人で、夕食を家族全員で「できるだけ毎日、そろってとりたい」と望む人は60%に上る。しかし、実際に家族全員で毎日夕食をとっている人は、60代以上で50%台から60%台に上る一方、50代以下では20%台にとどまる。また「家族そろって夕食をとるのは楽しい」と思う人は、2006年の74%から66%へ減少した。

性別役割分担に根差した考えは薄れているが、料理を「まったくしていない」という男性は半数に上り、夫婦の食事作りの分担は、片働き・共働きを問わず、多くの夫が妻に任せている。しかし、一人暮らしの男性では8割超が料理をしていて、中高年男性では料理を「いつもしている」人が増えている。

子どもに料理を教える父親も増加していて、親との料理体験があった人ほど、のちに自分で料理をするようになり、自分の子どもにも料理を教える傾向がみられた。

一方、女性は9割超が料理をしているが、働く人が増えている40代女性では料理を「いつもしている」人が減っている。また、男女ともに調理の短時間化の傾向がみられる。

世論調査部 村田ひろ子/政木みき

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