テレビ視聴時間の規定要因を探る

~「日本人とテレビ・2015」調査から~

公開:2016年7月1日

2015年2~3月に実施した「日本人とテレビ・2015」調査の結果では,1985年の調査開始以来はじめて,リアルタイムの視聴時間が「短時間化」した。そこで本分析では,視聴時間減少の要因を探るため,2015年調査のデータを用い,テレビ視聴時間の規定要因を重回帰分析で探索的に検討した。

検討は,先行研究で規定要因として大きいとされてきた余暇時間などを統制変数としたうえで,①メディア利用に関する項目,②テレビに対する態度,意識,効用などテレビ視聴に関連する項目,の2つに分け,若年層(16~29歳),中年層(30~59歳),高年層(60歳以上)の3つの年層区分ごとに行った。

その結果,①については,若・中年層で録画再生頻度が高いほど視聴時間が長く,中・高年層でインターネットやネット動画の利用頻度が高いほど視聴時間が短いという関係がみられた。②については,若年層で「家にいるときは,テレビをつけっぱなしにしている」という視聴習慣が,余暇時間よりもテレビ視聴時間の規定要因として大きいことなどがわかった。若年層においては,余暇時間が長いほどテレビ視聴時間が長いという関係が他の年層に比べて弱く,その背景には,規定要因として大きかった「インターネットが欠かせない」という,メディアの心理的な位置づけも関係しているだろう。

世論調査部 木村義子

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