安倍政権のもとで憲法改正に向けた動きが活発になるなか、NHKが2007年、2013年、2014年、2015年の4回にわたり実施した電話調査の結果を時系列比較も交えて分析、報告する。
憲法改正の必要があるかどうかについては、07年は「必要がある」(41%)が「必要はない」(24%)を上回っていたが、14年に「必要がある」が減って両者が並び、15年も「必要がある」(28%)と「必要はない」(25%)が拮抗している。一方、9条改正については、07年は「必要はない」(41%)が「必要がある」(28%)より多かった。13年は両者が並んだものの、14年は「必要がある」が減って再び「必要はない」のほうが多くなった。15年も「必要はない」(38%)が「必要がある」(22%)を上回る状況が続いている。14年に憲法改正と9条改正の両方で「必要がある」が減ったのは、改憲の議論が現実味を帯びるにつれ人びとが慎重な姿勢を示し始めたためと考えられる。
集団的自衛権については、13年から14年にかけて慎重な立場の人が増えていたが、安倍内閣が閣議決定で行使を容認した後の15年も行使に「反対」(30%)が「賛成」(22%)より多い。また、歴代の内閣が認めなかった集団的自衛権の行使を、憲法改正ではなく憲法解釈の変更で容認したことに対し「適切だった」という人は15%と少なく、その理由を政府が国民に「十分」あるいは「ある程度」説明しているという人は32%にとどまった。