放送研究と調査(月報) - 目次

各国の「放送界の動き」に関する情報を掲載しています。

放送界の動き

ボリビア,新通信法成立

南米ボリビアのモラレス大統領は8月8日,通信・情報技術・コミュニケーション一般法を公布した。同法は,テレビやラジオの周波数の33%ずつを国家と民間にそれぞれ割り当て,残りを地域コミュニティーや原住民組織に割り当てるとしている。これにより,現在国内に680ある民間ラジオ局のうち400局程度は閉鎖に追い込まれると言われている。また,同法は放送局が大統領のメッセージを年に2回,無料で放送する義務を負うことや,国家の安全にかかわる場合には,当局による電話の盗聴も認めることなどを規定しており,言論の自由や通信の秘密を侵すとして国内で論議を呼んでいる。

ブラジル,有料テレビ法成立へ

ブラジル上院は8月16日,従来のケーブルテレビ法に替わる新たな有料テレビ法案を可決した。新法は,衛星放送などすべての有料テレビ放送を対象としており,初めて通信事業者が放送事業への参入を認められるとともに,外資の参入規制も撤廃された。放送内容については,夜6時から10時のゴールデンタイムのうち最低週3 時間半は国内制作の番組を放送しなければならないとしており,そのうち半分以上は放送事業者以外の制作とすることが定められるなど,大手放送事業者の寡占状態解消を図る性格も持つ。また,新法により通信事業者は放送・電話・インターネットのいわゆるトリプルプレーサービスの提供が可能になることから,ブロードバンドの普及促進も期待されている。

ベライゾンのストライキ中止,交渉は継続

米電話会社大手のベライゾン・コミュニケーションズ(固定電話)の組合員4万5,000人が,企業年金の充実や医療保険の無料化継続などを求めて8月6日から行っていたストライキが20日,中止された。同社では固定通信事業の不振が続いて全収入に占める売り上げが40%まで落ち,携帯電話部門が6割を占めるようになっている。携帯部門には組合はなく,経営側はコスト削減のため固定部門の組合員に労働協約の見直しを求めていた。交渉は今後も続く見通しだが,携帯部門の利益を固定部門に回すことに社員の間で不満が募り,より良い労働条件を求めてストを行う戦術に,高い失業率の中,世論は厳しい見方をしている。

米FCC,「公正原則」を規則集から削除

FCC(連邦通信委員会)は8月22日, 放送の中で対立する見解にもそれを表明する機会を割り当てることを義務付けた「公正原則(Fairness Doctrine)」など83の規則を,FCC規則集から正式に削除したと発表した。同原則は1949年に導入されたが,その後メディアの数が増えたことなどで役割を終えたとして1987年に廃止されていた。

米アップル社CEOスティーブ・ジョブズ氏辞任

アップル社は8月24日,同社の共同設立者でもあるスティーブ・ジョブズ氏が最高経営責任者(CEO)を辞任したと発表した。ジョブズ氏は,従業員に向けた電子メールの中で,辞任の理由を「CEOとしての義務と期待に応えられなくなった」としている。かねてより健康問題を抱えていた同氏は,新製品の発表会には姿を見せていたものの今年1月から休職を続けていた。アップル社は折しも8月,株式の時価総額でエクソン・モービル社を抜いて,一時世界一になった。後任には,氏の側近で同社ナンバー2のティム・クック氏が就任した。

Huluが有料サービスで日本進出

アメリカの人気動画配信サービスHuluが,米国以外では最初の国として,日本でのサービスを9月1日から始めた。大手映画会社やテレビ局の海外コンテンツ数千本を提供し,月額1,480円で,PCやモバイル,タブレットなどで自由に視聴できる。日本はブロードバンド網が充実し,スマートフォンなどが普及していることが進出の理由で,順次,日本製のコンテンツも提供する予定。Huluは,NBCとFOX(後にABCも)が共同出資して2008年にサービスを始め,人気テレビ番組が放送翌日には無料で配信されるため,特にケーブルや衛星に加入していない世帯や若者層に支持されている。2009年からはサービス内容を拡大した有料のHulu plusも始めた。